車中泊に潜む8つの危険 安全に過ごすための注意点と対策ポイントを解説

2023年5月10日

今流行りの車中泊。

旅先での宿泊費を節約できて時間に縛られないレジャースタイルとして、また非日常的な車内での生活を満喫する新たなライフスタイルとしても人気を集めています。

しかし、車中泊をする際にはいくつかの危険があることも知っておかなくてはなりません。

この記事では車中泊をする際に起こりうる8個の危険を説明するとともに、これらのリスクを最小限にして安全に車中泊を楽しむための知識や準備、対策なども解説します。

特にこれから車中泊を始めようと考えてる方や最近始めたばかりの初心者の方はこの記事を一読いただいて、安全に車中泊ライフを楽しんでください。

 

この記事を書いた人
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サナギーマン

・茨城在住。サラリーマン歴15年
・車中泊&キャンプに魅せられて
・週末バンライフ歴3年目
・ブログで趣味活を発信中

 

 

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YouTube動画では私の車中泊の様子を
レポートしてますのでぜひご覧ください。

 

 

 

1、エコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群とは

食事や水運を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。
その結果、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります。

予防のためには、
1.ときどき、軽い体操やストレッチ運動を行う
2.十分にこまめに水分を取る
3.アルコールを控える。できれば禁煙する
4.ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく締めない
5.かかとの上げ下ろし運動をしたり、ふくらはぎをもんだりする
6.眠るときは足を上げる
などを行いましょう。


引用元厚生労働省ホームページ

車中泊で気をつけないといけないことのひとつがエコノミークラス症候群。
私は昔、サッカー日本代表の高原選手をきっかけにこの症例を知った記憶があります。
最悪、死に至ることもある非常に怖い症例です。

 

エコノミークラス症候群への準備と対策

厚生労働省のホームページから引用したとおりの予防ももちろん有効ですが、車中泊の準備ではなるべく車内を動きやすく快適にすることが有効な対策と言えます。

同じ姿勢でいなければいけない車内よりは足を曲げたり伸ばしたりできる余裕のある空間、また就寝の際はなるべくフラットで足が伸ばせる状態を作れると寝返りもうちやすく血行も良い状態で車中泊を過ごせるでしょう。

車種によってやりようは異なりますが、車内を広く、フラットにするためには車中泊用のマットを活用したり、クッションやウレタンで段差を埋めたりすると良いです。
車中泊を楽しむために行う快適な空間作りがそのままエコノミークラス症候群への有効な対策になりますね。

フラットな車内写真

 

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2、一酸化炭素中毒

一酸化炭素中毒とは

一酸化炭素は不完全燃焼状態で炭素化合物が燃焼する際に発生し、無色・無臭で、その存在が感知しにくい気体ですが、空気とほぼ同じ重さ(比重(空気を1としたときの重さ):0.967)で、強い毒性を有しています。一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと結合しやすく、このため一酸化炭素を吸入すると血液の酸素運搬能力が下がることにより一酸化炭素中毒が起きます。一酸化炭素中毒は、軽度の頭痛、吐き気等からはじまり、その後、昏倒、致命傷に至るため、無意識のうちに被災するという特徴があります。

災害が発生しやすい場所としては、換気が不十分な場所における火気の使用や、冬場の土木作業におけるコンクリート養生作業、トンネル等におけるガソリンエンジン、発電機の使用、換気の悪い場所でのエンジンの空ふかしなどがあります。冬場に鍋物等の火気を使用した煮炊きをし、同時に飲酒等により酩酊状態となると、一酸化炭素中毒の初期症状を見つけられず、その後の症状がより重篤なものとなる危険性があります

引用元厚生労働省ホームページ

一酸化炭素中毒はどなたでも聞いたことがあると思います。
非常に怖い症状で死に至ることも珍しくありません。

車中泊では、特に気をつけなければいけないケースが2つ。

ひとつは車の排ガスによる一酸化炭素中毒。
車をアイドリング運転しているとマフラーから出る排ガスが車内に回り込んでくる可能性があります。

もうひとつが車内でガスコンロやストーブを使用する場合。
狭い車内で換気不足で火気を使用するとあっという間に一酸化炭素が充満する恐れがあります。

 

一酸化炭素中毒への準備と対策

前項を読んでいただいた方であれば対策はお分かりでしょう。

排ガスによる一酸化炭素中毒のリスクをなくすには車中泊ではアイドリング運転はしないこと。
エンジンを切ることは騒音など、マナーの面でも大切なことですが自分の安全を守るうえでも大切です。
もうひとつ忘れがちなのが、寝てる間に自車周辺にアイドリング車が駐車される可能性です。
これに対しては風通しのよい開けた場所に駐車すること、トラックの駐車が多い箇所には駐車しないことを意識しましょう。

ガスコンロやストーブによる対策は、そもそも車内ではガスコンロやストーブは使用しない(電気式が安全です)。
あるいは使用する場合は充分な換気を忘れないことです。

万が一に備えて車内に一酸化炭素チェッカーを常備しておくことも大事なことです。

特に気をつけないといけない一酸化炭素中毒については別記事でもまとめていますのでご確認ください。

一酸化炭素チェッカー

 

 

 

3、熱中症リスク

熱中症に気をつける目安

日本生気象学会では「日常生活に関する指針」、公益財団法人日本スポーツ協会では「熱中症予防運動指針」を下記の通り示しています。どちらの場合も、暑さ指数(WBGT)が28℃以上(厳重警戒)になると、熱中症リスクが高まります。ただ、28℃未満の場合でも、運動や激しい作業をする場合は、定期的に休憩をとり、積極的に水分や塩分を補給するなどの対策をとるようにしましょう。
熱中症の指針

引用元日本気象協会ホームページ

熱中症に対しては、「気温」だけでなく「湿度」や「風」、「直射日光」など色々な要素で危険度が変わります。
また熱中症に対する耐性も年齢や健康状態など、かなり個人差もあるでしょう。

ただしいずれにしても一般的には28℃以上になると要警戒となりますので車中泊でも充分注意が必要になります。

 

熱中症への準備と対策

真夏に暑さ対策せずに車中泊をするのはかなり危険ですので絶対にやめましょう。
車中泊でエンジンをかけっぱなしにするのはマナー違反なのでカーエアコンは基本的に使えません。
ポータブル電源とポータブルクーラーがあれば真夏でも快適に車中泊を行うことができますがどちらも高価なアイテムで簡単に購入できる代物でもありません。

私はモバイルバッテリーで運転できるポータブルファンに氷を入れて暑さ対策をしています。
これだけでもかなり暑さを緩和できます。
また、涼しくなった夜には窓を開けられるように車用網戸があると虫の侵入を防げるので重宝します。

いずれにしても暑い季節の車中泊の実施はくれぐれも慎重に判断してください。

熱中症の対処法

 

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4、寒さによる低体温リスク

車内は意外と寒い?

JAFは2月の長野県で夜間(23時から翌朝7時まで)における車内温度の低下状況をテストしました。テストは、エアコンで車内温度を25℃まで温めたあとエンジンを停止して、外気温-10.2℃のときに計測を開始しました。エンジン停止1時間後には車内温度が15℃以上低下し、3時間が経過した時点で氷点下にまで下がりました。翌朝7時前のテスト終了直前に最低気温の-13.2℃を記録し、テスト終了時の車内温度は-7℃まで下がりました。このことからエンジンを停止させると急激に車内温度が低下し、最終的には外気温に近づいていく傾向となりました。

吹雪や豪雪でクルマが立ち往生してしまい、やむなく長時間車内に留まらなければならない場合があります。排出ガスによる一酸化炭素中毒やガス欠の危険性を考えると、エンジンは停止した状態であることが大切です。エンジンを止めた車内で朝まで過ごすことができるのかを検証するため、①対策なし②毛布+使い捨てカイロ③寝袋(冬山用)④エマージェンシーシートと4つの車中泊方法をテストしました。テストに参加したモニターによると、①対策なしではエンジンを止めてから30分ほどで体感する寒さが強まり、足先の感覚がなくなってきて、朝まで過ごすことはできませんでした。②毛布+使い捨てカイロでは、カイロの効果が感じられ朝まで過ごせましたが、外気温が5℃を下回ってきた午前1時頃から足と鼻に強い冷えを感じたようです。③寝袋(冬山用)では、朝方になって寒さを感じたようですが、朝まで過ごすことができました。④エマージェンシーシートでは、テスト開始直後は暖かさがありましたが、シートでは覆えない顔や足先が冷え、次第に最初にかいた汗も冷えてきて、朝まで過ごすことができない結果となりました。今回のテストでは②と③の対策が有効でしたが、厳冬期の車内は荒天時における緊急避難場所として天候の回復や救援を待つ場所として使うに留めるのが賢明でしょう。

引用元JAFホームページ

車内は暖かいイメージがありますが、冬の車内は想像以上に冷えます。
夜が更けるにつれて外気の冷たさが車内の床に伝わり寝床も冷え冷えです。
車中泊の上級者になると、車の内装に断熱材を入れて車内を暖かく保ちますが初心者にこういったDIYはハードルが高いですよね。

 

寒さに対する準備と対策

車内が暖かいと誤ったイメージをして油断する。それさえなければ対策は難しくありません。

とにかく掛布団や防寒着はしっかりと余分に準備しておきましょう。
寝袋であれば保温性能をしっかりと確認してその季節に合ったものに。

他にも個人的におすすめなのは湯たんぽ。
朝までぬくぬくと、とても重宝します。

寒さの対処法

 

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5、車中泊先の夜間トラブル

暴走族に気をつけよう

私も何度か道の駅で遭遇しました。

正直言うと他にも結構利用者がいる道の駅で車中泊をしている分には暴走族が近づいてもさほど気になりませんでした。
一晩中道の駅に居座るということもありませんので。

怖いのは公園などで一人で車中泊している時に遠くから大量のバイク音がきこえる時。これは結構ビビります(笑)。

暴走族の他にも、タチの悪いグループが駐車場でたむろするというケースもあるでしょう。

こういった場合も利用者が多い場所ではまだ安心感がありますが一人きりで車中泊を行う場合はネットなど活用して事前情報もしっかり確認しましょう。

 

不審者にも気をつけよう

夜間一人で車中泊してるシチュエーションでは夜中に物音などすると怖くなることがありました。

日本ですからそんなに危険なことは滅多に起こらないとは思っても、やはり周囲に人がいる事は安心につながります。

特に女性は夜間でも一定の利用者のある場所での車中泊をおすすめします。
女性に限らずですが防犯に対しては充分な対策を行いましょう。

夜間トラブルへの準備と対策

以下は外的危険に巻き込まれないためにとても大事なポイントです。

・車内は外から見えないようにしっかりと目隠しをする
・車外に出る時も車内にいる時も車のドアは常にロックしておく
・車中泊は夜間でも人通りの多い場所を選ぶ
・何かあれば車はいつでも発進できるような状態にしておく
・SNSで自分の居場所が分かるようなリアルタイムの発信はしない

車中泊の防犯についてはとても大事なことなので別記事でもまとめています。
そちらもぜひご覧ください。

 

 

6、警察による職務質問

職務質問を受けるのはどんな時?

職質の対処法

 

警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して、なんらかの犯罪を犯し、もしくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者、または、すでに行われた犯罪について、もしくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を、停止させて質問することができる(警察官職務執行法2条)。
この質問を職務質問という。
職務質問は、相手方の同意に基づく任意のものであり、強制権はなく、身柄を拘束したり、相手方の意思に反して連行したり、答弁を強要することは許されない。しかし、ある程度の停止の要求、すなわち、相手方に停止しようという意思をもたせようとする程度の要求で、注意を促したり、意思の変更を促すために、単に身体の一部に手をかける程度のことは、強制にわたらない限り許され、その方法が一般的にみて妥当であると認められる程度のものは適法と解されている。

引用元コトバンク

私自身、これまで色々な場所で車中泊を行ってきましたが職務質問を受けたことはまだありません。

しかしTwitter情報やYouTubeなどを見ていても車中泊中に職務質問を受けた経験がある方は結構多いようです。

たしかに車中泊を長く続けていれば職務質問を受ける可能性はあるでしょう。

職務質問をされてもきちんと身分証明できれば問題ないのでしょうが、留意しておかないといけないことがあります。

 

職務質問への準備と対策

アナタが車中泊をしていて、職務質問を受けたとしても基本的に何もやましいことはないと思います。

でももしアナタが車中泊で調理用ナイフを持っていたらそれは銃刀法違反になりますか?なりませんか?
車中泊で車内で調理なども楽しむのであれば銃刀法だけはとりあえず知るだけ知っておきましょう。

その解説は長くなるので別記事のリンクを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

 

7、飲酒運転

お酒の写真

車中泊の旅先で車中飯と一緒にお酒を嗜むのが車中泊の醍醐味という方も多いのではないでしょうか。

お酒を飲んだら運転をしてはいけない、これは昔からの常識ですが最近はお酒を飲んだ翌日に飲酒運転でつかまるケースが後を絶ちません。

飲酒運転はお酒を飲んだあとどれだけ時間が経過したかは関係なく、体内に残っているアルコール量のみで判断されますので運転をする際は自己判断ではなく必ずアルコールチェッカーを使って確認する習慣を徹底しましょう。

 

 

8、便意

便意の対処法

お腹をくだしたときに入ったトイレで紙がなかった。あるいはとても利用するのに勇気のいる便器だった。
ある意味車中泊において一番身近なリスクと言えるでしょう。

私はトイレの状況は車中泊をする場所で一番最初に確認しています。

事前にトイレを確認していても夜間に施錠されてしまった、ということはありえることです。
お守り代わりに簡易的な携帯トイレを車に常備しておけば安心です。

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まとめ

趣味を楽しむことは自分の人生を豊かにします。
私自身車中泊を楽しむようになってそれを実感しています。
しかし、趣味を楽しむためには安全の確保ができていることが前提になります。
車中泊を安全に楽しむために気を付けなければならない危険を知っておき、車中泊を楽しむ全員が安全で事故のない車中泊時間を過ごせるように願います。

 

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